先日の振袖の裄直しに来られた方のご紹介

2017年01月24日お客様の声

60歳位の女性がご来店くださいました。
初めて当店にお越しの方です。風呂敷を開いて着物を拝見させて頂きました。

素敵な古典模様の振袖と絹の長襦袢です。
「孫がお母さんの着た振袖を着たいということで寸法を直してください」というご注文です。
お孫様の身長をお聞きしましたら、肩幅と袖幅をいっぱいに伸ばせば何とかなりそうです。
保管状態も良く、着た後のお手入れもされていたのでシミもありません。

「大切なお振袖でしたね」とお尋ねしましたら。「はいそうです。私が娘に買って上げて、今回それを孫が喜んで着てくれると言ってくれました」と万弁の笑みを浮かべてお応え下さいました。
私たち着物に携わる者にとって一番嬉しい瞬間です。
お話がどんどん進み楽し気にお孫様とお母様がおばあちゃんを中心に語り合った状況が目に浮かんで参りました。
私は「きものは物だけど、人生の大切な事を伝えてくれる」と言っていた亡き母の話をふと思い出しました。
この後、着物の保管方法と汚した時の応急処置をご説明させて頂き、笑顔で当店を後にされました。